会社四季報を用いた銘柄発見手法
概要
会社四季報(以降四季報)から成長株候補の銘柄を発掘する方法について記載する
フェーズ1. 四季報に付箋を貼っていく
会社四季報の最上部の月足チャートを全銘柄で確認していく。
以下の条件に当てはまる銘柄があった場合付箋を貼っていく。
-
右肩上がりのチャート
-
陽線の多いチャート
- 半年以内に最高値をつけているもの
フェーズ2. 業績の確認
付箋を貼った企業のうち投資対象を絞り込むため業績を確認していく。
■(必須)売上の伸び率
伸び率は過去連続していることが好ましいが、
今後持続しそうな場合は過去の実績を加味しなくとも良い。
伸び率 | 成長株投資対象 | 評価 |
---|---|---|
0%未満 | ✗ | 対象外 |
10%未満 | △ | 低成長株(将来性があればok) |
10%以上 | ○ | 普通の成長株 |
20%以上 | ◎ | 高成長株 |
30%以上 | ◎ | 超高成長株 |
■(必須)経営利益の伸び率
伸び率は過去連続していることが好ましいが、
今後持続しそうな場合は過去の実績を加味しなくとも良い。
伸び率 | 成長株投資対象 | 評価 |
---|---|---|
10%以上 | ○ | 対象 |
10%未満 | △ | 検討ok |
改善赤字 | △ | 検討ok |
利益現象 | △ | 検討ok |
悪化赤字 | ✗ | 対象外 |
■(推奨)海外比率の記載がある場合
海外比率最低水準 | 10%以上 |
海外比率理想水準 | 30%以上 |
■(推奨)業績ブロックがポジティブな内容であるか?
四季報独自の取材や見通しが記載されている。
内容が株価に反映されることもあるため、
企業研究ができていないうちは積極的にチェックしたい。
良い見出しの例 |
【最高益】【増益】【増額】【増配】【続伸】 【上方修正】【上振れ】【反発】【好調】 |
悪い見出しの例 |
【赤字】【減益】【減額】【減配】【続落】 【下方修正】【下振れ】【反落】【低調】 |
■(推奨)株主欄
- 筆頭株主が創業社長であり、かつ50%以上の保有があるか?
- 優秀な創業者が手腕を発揮するために株主権限を所持しているか?
- 創業家がリスク要因になっていないか?
- 創業者が引退後、創業家の株式が分散するため権限が分散して社内対立が発生するおそれがある。
- 外国人持株比率が高いか?
- 外国人持株比率が20%以上だと注目されている扱いになる。
- 増加するほど堅調になりやすい
- 外国人持株比率が20%以上だと注目されている扱いになる。
- 著名な機関投資家が株主になっているか?
- 上場企業が株主になっている場合
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持ち株比率 説明 50%以上 連結子会社。決算は親会社に連結計算される。 20% - 50% 持分法適用子会社。決算は営業外収支として計上される。 20%未満 関連会社。資本関係はあるが、親会社の決算に影響されない。 - デメリット
- 少数持分の株主意向が反映されにくくなる。
- 株主による監視機能が形骸化する恐れがある。
- 資本効率低下や悪材料発生時の株価連鎖安リスクがある。
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■(推奨)ROEの確認
成長株として取り扱うにはROEは8%は最低ラインとする。
10%以上あることが好ましい。
■(必須)比較会社との比較
同業他社比較の対象となる銘柄が3社ほど記載されているので、
他銘柄と比較を行い、同業他社に対する優位性があるのか確認を行う。
■(必須)会社予想比がある場合は要チェック
会社の予想と四季報の予想が大幅に異なる場合のみ記載がある。
😀と😞で表されているのでこの表記があると価格が動く恐れがあるので要注意